日本光学からニコンへの部屋
ニコン陰の歴史
ニコンミュージアム 大正6年、潜水艦の潜望鏡をつくる(株)東京計器製作所として設立される。
しかし大正12年、軍縮と関東大震災の影響で経営が悪化、ドイツ人技士の解雇や、労働争議対策の「親愛会」などをつくり、軍部の強い支援の元に再建にむかう。

nikonmuseum2.jpg 第2次世界大戦直度、25,000人いた従業員の90%を解雇、戦時中、民間用のハンザキャノンに供給した事のある、写真用レンズメーカーとして再出発する事になった。
この時、解雇された技術者の一部がキャノンに採用されている。
昭和25年、経営は安定せず、ストライキなどを経て再びリストラを断行、従業員は1,500名弱までに減る。
この年、ライフの契約カメラマン、デビッド・ダグラス・ダンカンによって「4x5で撮ったほどのシャープなピント」という神話が誕生し、ニッコールレンズの優秀性が世界に認められ急成長を遂げる。

ライカM3に対抗して作られたニコンS2 ニコンS2:ニッコール50mmF2
1954年にドイツのフォトキナで発表されたライカM3に対抗すべく、急遽、巻き上げなどを追加して12月に50mmF2付が68,500円で発売された。
1958年3月までに56715台が作られS3と交代する。ブラックとモータードライブが少数存在する。
このカメラは後期の黒ダイヤル、昭和32年から33年に製造されている。
レンズ交換する時はピント必ず無限に合わせておかないと「地獄バネ」にはまってしまいはずせなくなる。
オーバーホールに出したら、驚くほどシャッター音が良くなって帰って来た。

ニコン雑学

ニッコールレンズたち


名機NIKON F ニコンF:1959年6月に発売される
昭和46年の価格が、Fボディのみが44,200円、FTN57,700円、黒は1.500円高、50mmF1.4は22,800円となっている。

NIKON F
FTNよりFSのほうが人気が高い ニコマートFS(1965年7月) 22,300円
ニコマートFTN(1967年10月) 32,000円

労働争議も抱えながらも順調に成長を続けてきたが、昭和48年のオイルショックにより、一時帰休や臨時雇いの解雇をせざるを得なくなった。
昭和36年から製造していた8mmカメラは、昭和54年に販売中止となる。

ニッコール年鑑 昭和57年、陰りを見せていた一眼レフの販売が、ついにコンパクトカメラに販売台数で逆転される。
円高不況、バブル崩壊などで、引き伸ばし機、ビデオカメラ、プロ用ENGレンズ、水中一眼レフなど惜しまれながら製造中止された製品も少なくない。

8mmシネカメラ:昭和35(1960)年の9月に、ダブル 8の「ニコレックス-8」を発売し、8mmに参入。
そして昭和54(1979)年、幻の名機「R10 スーパーズーム / R8 スーパーズーム」を最後に8mm ムービーから完全に撤退した。

引き伸ばし機:昭和50年11月RA-350を発売したが、世は既にカラー時代に入っており、カラーを自家現像できるアマチュアは既に他社製品を所有しており、一部の写真学生などしか購入しなかったのではないか?
本来なら昭和32年にEL50mmF2.8を発売した時期に引き伸ばし機も発売するべきで、それを逃しても昭和42年EL50mmF4を発売と同時に発表すべきであった。
カメラと合わせてフォコマートを販売しつづけたライカとは対照的である。

ビデオカメラ:昭和50年頃から開発を始めていたTVカメラS-100を昭和57年にSVHS・Cビデオやチューナーとともに発売するが、 一体型ビデオが出始めていた時期に、カメラ、ビデオ分離型であったこと、販売が電気店ではなくカメラ店のルートにこだわった事などが災いし、ほとんど売れず、 昭和61年のOEMで8mmビデオを輸出用に発売したのを最後にTVカメラから撤退した。

TV・NIKKOR ED 5.5〜49.5mmF1.7 9倍ズ−ム ENGカメラレンズ:昭和58年にTVカメラ部門を廃止し電子画像部とし、NHKの協力をえて、HDTV用レンズを開発、昭和61年にはSDTV用15倍レンズほ開発、昭和63年になってやっと他社製品と肩を並べる小型軽量のレンズを発売するが、 キャノン、富士などに比べれば10年遅く、NIKONの名もTV業界ではなかなか通じない。
平成2年キャノンの18倍を上回る19倍を発表し、TBS、RCCなどを中心に、スポーツ取材で好評を得たが、キャノンの20倍での巻き返しなどもありシェアーの拡大ができず、全面撤退せざるを得なくなる

ニコノスV 水中一眼レフ:好評だった水中カメラ「ニコノス」に平成4年6月AF水中一眼レフ「ニコノスRS」を発売。
一部の専門家の間では好評だったもののボディのみで39万円もしたのと、バブル崩壊後の不景気などで販売中止となってしまった。
そして「ニコノスX」も製造終了されてしまった。
ニコノスUは昭和46年に35mmF2.5付で35,000円。
ニコノスX(1998年4月)に35mmF2.5付で101,000円であった。

ニコンEM NIkonEM(1980年3月)40,000円
リトルニコンとも呼ばれた自動露出カメラ。Bと1/90のメカニカルシャッターのみを装備し、従来のFクラスに比べるとと一回り小さくプラスチックを多用して軽く作られていて、 Fシリーズ愛用者からは嫌われ売れ行きは良くなかったが、発売終了後に良さが再認識された。
巻き戻しクランクの前面に+2補正のボタンがあるが、ASAの設定を変えれば露出の補正は可能なので、この個体は誤動作を防ぐため接着剤で固定し作動できなくしている。

メカニカルなニコンF2 NikonF2(1971年9月)82,200円
ニコンFのあとを受け継いだF2であったが、プロカメラマンからなかなか受け入れられなかった。
Fの欠点をすべて改修されてはいたが、専用モータードライブMD-2はあまりにも重かった。
MB-1のバッテリーケースと一緒に使い、MF-3という裏蓋に変えるとフィルムのリーダー部分がパトローネに巻き込まないのと、グリップがしやすくなる。
シャッター音は金属的で好きになれない。
しかし、メカニカル一眼レフとしては充分な性能を持っている。

ニコン初のプロ用AE機 NikonF3P(1980年3月)183,000円
ジュージアローのデザインで華々しくデビューしたF3であったが、プロ用としては問題があった。小雨程度でもシャッターが作動しないことがあったのだ。
そこでシャッターボタンをキャップで覆ったほか、ペンタプリズムの上のホットシューをつけるなど、プロの要望を撮りいれたF3Pを報道機関のみを対象に販売した。
このカメラの購入にあたっては社の購買部の注文書が必要であった。モータードライブを付ける事を前提としてつくられている。

ニコン初のAF機 NikonF3AF AF80mmF2.8(1983年4月)ボディのみ250,000円 レンズ100,000円
F4の前にF3を自動焦点にするための試作に近いカメラ。珍品ではあるが実用性に乏しく人気は今ひとつ。
ファインダーのなかに単4電池2本入れ、モーターを駆動する。
AFレンズは200mmもあり、F4とF501にも使用できる。
ファインダーをF3HP用などに変更すれば、普通のF3として使える。   
不運のAFAニコンF4S Nikon F4S (1988年12月)239,000円
名機ニコンFで世界を圧巻した日本光学ではあるが、もとをただせばキャノンを真似てはじめたカメラであった。その後の経営戦略もすべてが先見性にかけ、後手に回った感がある。
カメラが振るわなかったキャノン、ミノルタ、リコーなどがコピーなどの事務機で成功したのとはやや対照的である。
以後、D1を始めとする電子カメラで何処まで巻き返しができるかが、大きな課題であるが、ニコンファンとしては、ライカの二の舞にならないように祈るばかりである。
広島にもいたプロ担当のサービスマンをすべて東京に集めてしまった。
大きな修理や古いカメラは東京に送らないと直せない。

ニコンF5 Nikon F5(1996年10月)325,000円 
AFを基本に銀塩プロ用カメラの最高峰を目指して造るカメラだが、デジタルの嵐のなかで、その地位が長く続かなかった。
余りにプロ用を意識しすぎたため、大きくて重くなりすぎ、アマチュア用やプロのサブカメラはF100にその地位を奪われ、販売は伸びなかった。
しかし、F4の欠点はすべてカバ−してあり、仕事カメラとしては使いやすい。

F100 Nikon F100(1998年11月) 190,000円
190,000円で売り出され、F5では重いという女性などにも人気だった。
入手した直後にNIKONのサービスマンに点検してもらったが、異常なしだった。これで銀塩カメラは最後にしたい・・・

NPSで改造 Nikon F5p?:ニコンプロサービスで改造してもらった。
巻戻しボタンの穴あけとAFボタンの大型化がしてある。
自作 MC-22購入し、マイクケーブルにつないで延長できるよう、CANONの3ピンをつけ、MC-30を買わなくても良いようにプラスチックケースとスイッチを買って自作した。
材料費は数百円ですんだ。
sk8a1.jpg sk8a2.jpg 3本目のNIKONのプロブラケット SK-8A 16,200円を購入。 市販しておらず、ニコンダイレクトから注文するオリジナルグッズである。
NPS仕様のプロブラケットは、これまでSB-16B用とSB-28DX用を所有していたが、SB-800に使えるブラケットが無くて困っていた。 SK-8Aは、これまでのブラケットとちがって、銅鏡の長いレンズでもケラレないように少し前方にセットできるよう2分割になっており、ストロボの位置も上下に変えることができる。

グリコのオマケ

2006年1月11日、F6とFM10以外の銀塩カメラと、大判カメラ用レンズ、引伸し用レンズの製造中止が発表された。
アナログレコードが店頭から姿を消した時と同じような現象が起こった。
F100などの製造中止は時間の問題だと思っていたが、大判カメラ用レンズなどの製造中止は意外だった。


テレコンバータ 1983年に発売されたテレコンバータたち。
TC-201S 30,000円
TC-14AS 30,000円
TC-14BS 63,000円
ショートズームのみを持って撮影していると、どうしても望遠側が足りないと感じる事があるので、カバンやポケットにそっと忍ばせておく。
持っていないと欲しくなるが、持っているとほとんど使わない。
精神安定剤ような補助レンズだ。
TC-301Sは使用できるレンズが少ないので所有していない。

D200 Nikon D200(2005年12月) 160,000円
ニコンF以来、30年ぶり?に買った新品カメラ。

D800 Nikon D800(2012年7月) 217,100円
ニコンD200で不満だったCCDサイズがフルサイズのFXフォーマットになり、動画もHDで撮れるようになった。
Nikon Z6 Nikon Z6(2019年7月) 193,100円
ニコンのフルサイズミラーレス、動画は4Kで撮れるようになった。

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