16mmの部屋

私の壊したカメラ

B&H70DRベル&ハウェル70DR: このカメラは私が使用していたもので、1971年入社と共に配布されたもの、と言いたいところですが、初代は、取材中に岩国の港で舟がひっくり返り、ニコンFと共に海水に浸かり、これは2代目です。
本来70DRは3本ターレットですが、カラー時代になってレンズ事に色が変わるのを嫌い、アンジェニューの6倍ズーム付きの1眼レフタイプになっています。
1981年頃まで使用しましたが、ENG時代の到来とともに現役引退となりました。
16mmフィルム 16mmフィルム: 16mmムービーカメラ用フィルムには、一般的には、100feet、200feet、400feetの長さがある。
Kodak 7242は、ニュース映像用としては一般的なタングステンタイプのASA125。7250はASA400の高感度のタングステンタイプだ。
昼間はラッテンNo.85Bのフィルターを使う。
100feetは、bell&howell70DRやボレックスなどのハンディカメラが主。
200feetは、ミニエクレールやCanon サウンドスクーピックなど。
400feetは、オリコンやアリフレックス長尺マガジン用など。
100feetと200feetはスプールに入っているので日中装填できるが、400Feetはコア巻きなので暗室装填が必要だった。
200feetと400feetはシングル録音できるように、マグネチックコーティングが施してある物を使う事が多かった。
3feetで5秒だから、400feetでも10分ちょっとしか撮れない。


EF7240
コダック16mm
EF7250
  ASA400
EF7241
デーライトタイプ
EF7254
 ネガフィルム
フジ8425
  フジ400
SAKURA
期限切れ30年以上

アリフレックスアリフレックス16ST: 昭和40年代、三脚につけて使うならこのカメラだった。
9Vのバッテリーで駆動するが、12Vでも使える。
取材先で電源コードを忘れたのに気づき、ヘリで届けさせた兵もいた。
70DRと並ぶ16mmの代表的カメラ。
400feetマガジンが付くが、ニュースでは100feetで取材するのが常だった。
スポーツやドキュメンタリーでよく使った。

ミニエクレールミニエクレールACL: おいしそうな名前のフランス製のカメラ。マガジン交換で簡単にフィルムチェンジができる。
このタイプはシングル録音できるアンプ内蔵タイプ。ノイズレスで12V駆動である。
ニューアリマウント仕様にしてある。通常は200feetマガジンで使用するが400fgeetマガジンもあった。
寒さに弱く、冬場は懐炉を抱かせ、海辺の潮風でも、回転が不調になる事もあった。
昭和50年頃のローカルワイドニュースとともに使用頻度が上がったが、昭和54年のENG化とともに引退した。

BOLEXボレックス: 報道ではほとんど使われなかったが、山椒魚の卵の出産のコマ撮りなどでは使われた。

16MNキャノンスクーピック16MN: 1974年に685,000円。
人間工学に基づいた設計などと謳っていたが、立っての目高撮影には良いのだが、中腰やしゃがんでの撮影ではグリップの自由度が効かないので使いづらかった。

ミリケンDBM55ミリケンDBM55: 通常の撮影用ではなく、高速度用に500コマまでの撮影が可能なカメラ。
 車のぶつかる瞬間や、ミルクの雫でできる王冠などの撮影をするのが主な目的である。
 我々が使うのはカープキャンプなどで、主力はルーキーのフォームチェックに使用した。
 通常は、バッターで200コマ、ピッチャーで100コマで使用した。
 高速での回転に耐えるように、フィルムは両側にパーフォレーションタイプを使用し、感度も高いものを使用した。
 カメラ側にファインダーがないため、アンジェニューのファインダー付きレンズを使用した。
大きさの割には重くて使いにくく、使用するバッテーも物凄く重い。
 回る時に発する音も大きくて、周囲にいる人がビックリした。
16mmは、通常は片方だけパーフォレーションがある片耳の物を使うが、ミリケンは高速度で回すために不安定になって切れやすいために左右ともにパーフォレーションがある両耳のものを使った。
 昭和42-54年頃まで使った。

オリコン プロ600スペシャル オリコン プロ600スペシャル:ライトウェイトポータブルと書いてあるが、10kg以上あって物凄く重たい。ロスアンジェルスで作られていたようだ。
ベトナム戦争の頃、これをアメリカ人が持ち込んで使っていたのを見て、TBSがニュースデスク(今のニュース23)などで使っていた。
アメリカ人は軽々と担いで取材していたが、日本人には重すぎるので専用のショルダーをつくって対応したようだ。オーディオマンが、MHK815などのガンマイクを器用に使っていたのが印象的だった。
余りにも重かったので、私は手持ち撮影に使った事はないが、ACで駆動させるにはゼネラルより安定しているので、社内でのインタビューなどには時折使用した。
昭和35-48年頃に使用。

ゼネラルSS3 ゼネラルSS3: 昭和44-51年頃オリコンを軽量化したもので、ニューヨーク製である。
ミッチェルの400Feetマガジンを使用しているので、コアに巻いてあるフィルムを暗室装てんする。
AC100V駆動なので、DC12Vをコンバータで変換して使用するため、純正バッテリーが非力であった。
このため、単1電池を使ったバッテリーを自作したりするなどの工夫をした。
オリコンに比べ軽量とはいってもまだまだ重く、バランスも悪いし、外付けファインダーも見づらいし、ちゃんと撮れているかどうか現像が上がるまで心配だった。
わずか2mmのマグネチックコーティングに音を収録するので、ダイナミックレンジが狭く、ちょっと小さいと聞こえないし、大きめにすると歪むし、オーディオマン無しだと、ちゃんとした音にならないことも多かった。
昭和46年消火に当たっていた消防士が焼死した呉の山火事の折、入社して間もない私は、このカメラを持たされて現場に向かったが、Cマウントにとりつける変換アダプタを忘れていって、 仕事にならなかったが、現場の先輩カメラマンたちは、「これで何を撮れと言うのか」と頓着しなかった。
大げさな音入りフィルムカメラより、デンスケのほうが機動力があって良い音が撮れた。昭和44-51年頃使用。

ヤシカ8 ヤシカ8: 知人からもらった8mmカメラ。1949年に15,500円くらいで売っていたらしい。
ダブルフィルムを使うので、16mmを使えば写せないことはないが、半分に切るカッターが無いので撮影した事は無い。
唯一の自慢はヤシノンではなくZUNOW レンズが付いている事。
13mmと38mmともにF1.9である。

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